「声は心と身体に深くつながっています。心や身体が痛むと声に現れます。声に異常があるとき、心や体が無理をしていないか知ることができます。反対に歌っているうちに心や体が元気になることも、声が出にくい時も体を動かしたら声が出やすくなったり、心を軽く、または強く持ったら体が動いたりすることも多くの人が経験しているでしょう。
声を育てるというのは自身を育てるということでもあります。今の自分に不満も希望も欲望もたくさんあります。人間はみな無いものねだりです。自分に既に備わっているものを忘れて、理想を求めるのです。結果、それが声にあらわれたりもします。
今までエクササイズで経験した身体と心の感覚を大切に、一瞬一瞬の音の喜びを味わう時、それはきっと声となって表れるでしょう。さあ、今日も自分を信じて楽しむことの修行です」。 |